島と大陸の境界線はどこにあんねん

「島」と「大陸」の境界、どこに引く?
地球儀を見ながら、ふと疑問に思ったことはないだろうか。
オーストラリアって、島じゃないんか。
グリーンランドも大陸って呼んでえぇんとちゃう?
面積的には、オーストラリア(約768万平方キロメートル)の方が断然大きい。
でも、グリーンランドだって216万平方キロメートルある。
何をもって「大陸」とし、何が足りなければ「島」とするのか。
それには、ちょっとややこしい“地球の事情”があるんだそうで。
面積じゃない?「大陸」の定義とは
国連や地理学では「大陸」とは、
- 独立した地質構造(プレート)を持ち、
- 大陸棚によって区切られた陸塊で、
- 独自の生態系や文化圏を有すること
が条件とされる。
一方、「島」はそれより小さく、
他の陸地から孤立していて、
プレート上の一部に過ぎないとされる。
つまり、地形のサイズだけで決まるわけじゃないらしい。
サイズだけで決まると思ってたわ。笑
海洋法に関する国際連合条約によると「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう」と規定されています。
一方の大陸は明確な定義はなく、慣例でオーストラリア以上に大きな面積をもつ陸地を「大陸」と呼んでいます。
グリーンランドが「島」にとどまる理由
グリーンランドは地理的には北アメリカの大陸棚の上にあり、
独立したプレートには乗っていない。
文化的にも政治的にも、デンマークの自治領としてヨーロッパに属しており、
「新大陸」としての独自性があるわけではない。
(文化と大陸は切り分けた方がいいと思うけどな。)
さらにその内陸部のほとんどは氷に覆われていて、
人が住める環境としての独立性にも欠けている。
(じゃあ、南極大陸だって大陸じゃないやんけ。)
オーストラリアが「大陸」なわけ
オーストラリアは、オーストラリアプレートという独自のプレートに載っている。
また、アボリジニ文化や固有の動植物が存在し、
生物地理学的にも“孤立した進化”が確認されている。
つまり、地質・生態系・文化すべてにおいて独立している存在。
だから「大陸」とされる。
……腑に落ちないなぁ。
ニューギニア、マダガスカル、日本……これはどう分類する?
実はこの「島か大陸か」の話にはグレーゾーンも多いらしい。
たとえば、
- ニューギニア島:面積約79万平方km。オーストラリアに地理的に近いが島扱い。
- マダガスカル:ユニークな生態系を持つが、独立したプレートではない。
- 日本:文化・経済は独立していても、プレート上ではユーラシアや太平洋プレートに乗っている。
このように「○○だから大陸」「××だから島」とは一概に言えないのが実情。
ややこしい。非常にややこしい。
ラベルの恣意性と人間の分類癖
そもそも「大陸」と「島」を分ける意味ってなんや?
実用上はあっても、自然界にハッキリした線があるわけじゃないやろ。
この“境界”は、人間が地球を理解するために引いたものだ。
自然界にもとからあるものではない。
地図を眺め、ラベルを貼り、分類して、なんとか把握しようとする。
……人間くさい営みですなぁ。
「違い」は時にラベルであり、時にロマンでもある
オーストラリアは大陸。
グリーンランドは島。
この違いに明確な“線”があるわけではない。
でも、そこに「なぜ?」と問い続けること自体が、
地理や歴史を学ぶことの面白さだと思った。
そしてそれを知ったとき、
地球という球体の上に貼られた“分類”や“名前”が、
ほんの少しだけ鮮やかに見える。
その曖昧さを残すことこそが、人間の本質なのかもしれない。