バナナと人間のDNAは50%同じらしい。

そう聞いて、あなたはどう思うだろうか。
俺は最初、「ああ、こういう“無駄知識風”な話、インターネットが大好きなやつね」と思った。 ちょっとおもしろくて、使いどころがなくて、だけど誰かに言いたくなる——そんな類いのやつだ。
でも、それだけで済ませるには、どうにもこの話には「腑に落ちない感」が残った。
バナナと人間のDNAが50%同じ。
つまり俺の半分はバナナってこと?それとも、バナナの半分が人間なの?
そもそもDNAってなんやっけ?
ラッドウィンプスの歌詞でしか知らない世界だ。
理科の授業で聞いてるはずだけど、説明できるほどには覚えていない。
そういうわけで、今回は「バナナと人間はDNAが50%同じ」というフレーズについて、あらためて調べたり考えたりしてみた。
別に科学的な真実が知りたいわけでも、誰かを論破したいわけでもない。
ただ、なんとなくモヤモヤする「数字の魔法 」と、その背後にある「わかってるようでわかってないこと」に、ちょっとだけ近づいてみたいと思う。
DNAって、なんやっけ?
DNAって、なんか…あれやろ? 染色体とか細胞の中にあって、アデニンとかチミンとかが…えーっと……組み合わさってる……やつ?
さんざん披露した小ネタだけど、何もわかってなかった。
こんなレベルで、よく「50%同じらしいで?」とか言ってたなと思う。
調べてみたら、DNAは「デオキシリボ核酸」という名前らしい。
強そうな名前を調べてたときに見た気がする。 デオキシスってここから名づけられてんのか。へー。

DNAってのは細胞の中の“核”っていう場所にあるらしい。 そんで、めっちゃちっちゃい「設計図」みたいなもんがギュウギュウに詰まってる。
その設計図をつくってるのが、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の物質。 なんかラップのリリックみたいな名前してんな。 でも、これが生き物のすべてを司ってるらしい。
4つの文字が「AとT」「GとC」みたいにペアを組んで、延々と並ぶ。 つまり、ATGCの無限パズル。
で、それが人間の場合は約32億セットある。
32億やで?コンビニの数の32万倍ぐらいある(適当)。
その一つ一つの並び順に、その人の全てが入っている。
「髪の色こうして」 「この人、親知らず生えます」 「花粉症耐性なし」みたいな情報が全部入ってるらしい。
わりと雑に言ってるけど、実際そんな感じっぽい。
バナナと人間が50%同じって、どういうこと?
さて、本題。
だいたいのヤツは「えっ!?じゃあ俺って半分バナナなん!?」というリアクションをとってくるが、そのリアクションは悪手だ。 こすられすぎて全然おもしろくないし、実際はそういうノリで言えるような話ではないらしい。
50%一致というのは、「DNAの塩基配列のうち、一致してる部分が約50%ある」という意味らしい。
人間のDNA文字列の一部と、バナナの文字列が偶然、というか、わりと普通に被ってるという話だ。
これ、すごいように思えるけど、別に「バナナと人間が親戚」とかそういう話ではない。
たとえば細胞の構造とか、エネルギーを作る仕組みとか、生命としての基本のシステムというものがある。
これはどんな生命もめちゃくちゃ共通してるらしい。
“根っこ”の部分の設計が似てる=DNAも似てくるという流れだ。
たとえるなら、超高級マンションとでも激安アパートでも「ドアある」「壁ある」「屋根ついてる」みたいなレベルの一致があるようなもんだ。 だからといって、「この高級マンションとアパート、50%同じです」って言われたら、それは違う気がする。
バナナと人間も、たぶんそれに近い。 “生き物”として最低限必要な共通仕様があって、それがたまたま50%ぐらいかぶってるだけ。
まとめ
というわけで、「人間とバナナはDNAが50%同じ」という話、 ウソではないけど、“そのまま信じるとちょっとズレてる”といったオチでした。
たしかに数字のインパクトは強い。 でも、「どゆこと?」と感じて調べると、話の奥行きが見えてくる。
この話に限らず、「すごい!」と思わせる話は、けっこう裏があることも多い。 腑に落ちないモヤモヤが出てきたときは、たぶん何かあるはずだ。
これからも気になる情報をどんどん掘っていこうと思う。
もし誰かに伝えるならツッコミも意識してもらいたい。
「じゃあ俺って半分バナナなん!?」というリアクションが定番なので、「リアクションすべってるで。半分バナナやからしゃーないか。」と返してあげよう。