梅雨とto you──世界でいちばん湿っぽいラブレター

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人間には、湿気と一緒に思い出まで蒸し返される日がある。

朝起きた瞬間から、なんか空気が重い。髪は爆発、シャツは貼りつき、玄関開けたら3秒で不機嫌。そう、梅雨である。

──もはや「雨」ではない。「湿気」そのものである。

最近の気象予報士も開き直って「今日も湿気に包まれるでしょう」って言ってるけど、それはもう『天気』ではなく『呪い』です。いっそ「カビ注意報」として出してくれたほうが親切かもしれない。

どうも、てぃらのです。
平日は会社でエクセルと会話し、休日は娘とアンパンマンと語らう29歳、このブログを書いているのは、いろいろ湿っぽくなってきた会社員です。

靴下は乾かんし、心も乾かんしで、そろそろ部屋干しの柔軟剤に励まされそうな日々ですが、そんな僕が今日語りたいのは、「梅雨」と「to you」って似ているなぁという話です。

「梅雨」と「to you」って似てますね

突然ですが、「梅雨」って英語で何て言うか知ってます?

──英語で梅雨は「rainy season」。いや、そのまんまやないか。

でも僕、ふと思ったんです。「梅雨(つゆ)」と「to you(トゥーユー)」って、音が似てませんか?

つゆ、トゥーユー、つゆ、トゥーユー……これ、何度も繰り返してると「季節からのラブレター」みたいに聞こえてきます。

「つゆ」は、空からの「to you」なんじゃないか──と。

雨はただの水じゃない。お前に届けたい、空の気持ちなんじゃないか。思春期か。

梅雨っていつから梅なの?

そもそも「梅雨」という言葉。雨と梅、いったい何の関係が? ということで、ちょっと由来を調べてみました。

「梅の実が熟す頃だから」という説、「カビ(黴)が生えやすい時期だから“黴雨(ばいう)”だった」という説、いろいろありますが──最終的に中国からの輸入品だったらしいです、言葉として。

つまり「つゆ」って、日本オリジナルのように見えて、グローバルな借り物なんです。セーラー服と同じ構造やないか。もとはイギリス海軍の制服だったけど、日本ではJKブランドとして定着してるやーつ。

さて、音として「梅雨」と「to you」が重なるのは偶然ですが、偶然を愛してしまうのが人間です。偶然って、「運命」に似てるじゃないですか。

雨が降った日、たまたま出会った人。
それは、もう“梅雨からの to you”です。

雨に濡れるのは、誰かに会いたいからかもしれない

僕は基本的に雨が苦手です。
靴が濡れるのがイヤだし、髪もへにゃるし、なによりテンションが下がる。

でも、不思議なことに「雨の中を歩く人」って、なんかかっこよく見えるときがあるんです。

とくに傘を差さずに歩いてる人ね。俳優じゃなくて、普通の人なのに。
濡れてるのに、堂々としてる。映画のワンシーンみたいに見える。

これってたぶん、“受け入れてる”からなんですよね。
雨も濡れも、ぜんぶひっくるめて。

そんでそれって、たぶん「誰かに会いに行ってるとき」か、「誰かを思ってるとき」なんですよ。
雨を避けないのは、気持ちがそれを上回ってるからなんです。

つまり、梅雨はただの不快な季節ではなくて、実は「感情の見える季節」なのかもしれない。雨に濡れながら何かに向かう人、それだけで物語がある気がしてくる。

梅雨の名曲はなぜ名曲なのか

ここで音楽の話をさせてください。

梅雨の時期に聴く曲って、なぜか名曲に感じることが多いです。

徳永英明の「レイニーブルー」、アンダーグラフの「アンブレラ」、flumpoolの「Over the rain~ひかりの橋~」、EXILEの「Lovers Again」──

「Lovers Again」は冬だけど、歌詞の湿度はちょうど梅雨。しめっぽいやん。もう、傘いらずに泣けるレベル。

なぜ、梅雨の歌は心に沁みるのか。

それは、濡れているからです。

物理的に濡れてると、心のバリアが弱くなる。冷えた身体に染みるラーメンみたいに、雨の曲がじんわり入ってくるんですよね。

そして歌詞の「あなた」ってやつは、たいてい「to you」なんですよ。梅雨の季節は、「to you」の感度が高まる時期なのです。

結局、全部「to you」だったんじゃないか

ふと思うんですけど、「to you」って、直訳すると「あなたへ」じゃないですか。英語の初歩であり、ラブレターの宛名であり、人生の目的地でもある。

梅雨は、「あなたへ」と言ってるんです。

「空気が重い?それ、君に向けた圧だよ」 「靴が濡れた?君がそこを歩いたからだよ」 「なんで今日だけ雨?──君が外に出たからだよ」

世界は、ときどき“あなた宛て”に空模様を変えてくる。

──いや、誰もそんなサービスしてくれてないって思うかもしれない。
でも、そう感じるくらいの湿度があるのが、梅雨って季節なんです。

これはたぶん、神様が人間にだけ送れる「湿ったメッセージ」なんです。

僕らはそのたび、「うわ、だる」と思うけど、本当はちょっとだけ気づいてる。これが、誰かからの「to you」だってこと。

湿度とやさしさは、比例する説

最後に、こんな仮説を置いてみます。

「湿度が高い日は、やさしさも高くなる」説。

これは統計も根拠もない、ただの思い込みです。
でも、自分がしんどいときに傘を差し出されたら、それがどれだけありがたいか、僕は知ってます。

雨が降るたびに、思うんです。

世界はそんなに優しくない。でも、優しくしてくれる人はいる。

梅雨って、そういう「小さな優しさを見つけやすい季節」なんじゃないかなと。

「to you」は、もしかしたら、目の前の誰かの行動かもしれないし、自分自身への手紙かもしれません。

そしてその言葉は、たいてい濡れてる。

──梅雨は、to youでできている。

傘を差すか、差さないかはあなた次第。でも僕はたぶん、今日もどこかで、

濡れながら、誰かのことを思っています。

ABOUT ME
てぃらの🦖
てぃらの🦖
四国大陸出身。好きな恐竜はプテラノドン。
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